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音無 


僕は馬鹿にされて当然だ。

僕は蔑まれて当然だ。

そこまでして僕がこの世に生を持ち続ける意味がどこにある。

人間はどうして生きているのだろう?

そう自分に問いかけると「それは地球が人間という生物を育むのに適した環境を持っていたから」

と返ってきた。

それは知っている。でもそうじゃない。僕が聞きたいのは。

なぜ人間が生きるようにプログラムをされているのか。

何のために人間が生きているのかが分からないんだ。本質が掴めていないんだ。

そしたら無言ときたもんだ。

疑問を持ってはいけないのか?人間は生きるのが当然なのか?

でも僕はそこに疑問を感じられずにはいられないんだ。

だから僕は馬鹿なんだ。そんなどうでもいいこと、地球で人間として生きている以上は下らないことなのに。


音無






ついに僕は世界が嫌いになった。

この滅茶苦茶で支離滅裂な世界に嫌気が差した。


最近僕には笑顔が絶えたことに気がつく。

最近僕は他人に褒められることが絶えたことに気がつく。

最近僕は他人に馬鹿にされてばかりだ。

最近僕は他人に怒られてばかりだ。


仕方がない。

それは全て僕が悪いから。

でも僕にはどうする事も出来ない。


もう僕は世界に満ち溢れている音にうんざりだ。

僕に害を加えるこの世の全ての音にもう飽きた。

自ら言葉を発するのもやめよう。

それも音だから嫌いだ。


僕はその日から音の無い世界に住むことにした。

音がないとこんなにも寂しいものなのかと、そう思ったのはひと時だった。

すぐにこの寂しい、否、穏やかな世界に慣れた。

すぐにこのモノクロの世界の住民になれた。


皆が何か言っている。

でも僕には何も聞こえないよ?

ハハハ、皆まるで人形浄瑠璃のように口をパカパカさせている。


音は無いけど目は見える。

皆何故か怒ったり泣いたり、そんな表情をしているように見える。


一人が僕の目の前に立った。


僕は気がついたら地面に転んでいた。

右の頬がジンジンする。


痛いな。


せっかく音を消したのに。

音がなくなっても今度は痛覚が僕に害を与える。


そしたらまた引っ越しをしよう。


痛覚の無い世界に。


僕は痛覚を消すために光り輝くモノを手に持った。


皆が驚いている。


僕は痛覚を消す。

僕は痛覚を消す。


皆が泣いている。


僕は痛覚を消す。

僕は痛覚を消す。


皆はまちまちだ。


僕は痛覚を消す。

僕は痛覚を消す。

僕は痛覚を消す。

僕は痛覚を消す。

僕は痛覚を消す。


皆は動かない。



僕は…痛覚を消した。



やっと無害な世界が訪れた。


やっと無害な世界になった。











なのに。









どうして…痛むの?






これは、音を消した時の痛み…痛覚かな?


まだ痛覚が残っていた。










僕は最後の痛覚を殺した。

[edit]

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